STORY

ヨーヨーとの出会い

ヨーヨーを初めて手に取ったのは、中学3年生の夏でした。

ヨーヨーを始める前の私は、アニメ番組の影響で「ミニ四駆」という自動車模型に熱中し、最新情報を得るためにホビー雑誌を購読していました。

そして、ミニ四駆のブームが下火になってきた頃、入れ替わるように誌面で紹介され始めたのが「ハイパーヨーヨー」でした。

「『ハイパー』なんて言ってるけど、ヨーヨーはヨーヨーでしょ。なんかダサいし、興味ないな」

初めはそう思っていました。

しかし、毎号紹介される技の数々、そして何よりも外国人のチャンピオンが格好良く技を披露している写真を見て、バカにしていたはずのヨーヨーがだんだん格好良く見えてきたのです。

「僕もヨーヨーが上手くなったら、カッコよくなれるのかな...」

カッコよくなりたい。
それは、男の子みんなが抱く憧れの気持ちです。

自信の無かった自分を救い出してくれる何かを探し続けていた少年が、その可能性を感じた「ヨーヨー」を手に取るまで、さほど時間はかかりませんでした。

しかしヨーヨーを手にしても、いきなり技が出来るわけではありません。

むしろ、手先が不器用であった私は、説明書に「まずはここから始めよう!」と書いてある基本技さえ、こなす事が出来ませんでした。

「やっぱり、チャンピオンたちは特別な才能がある人で、自分にはできないのかな...」

「自分は一生、何をやっても上手くいかない世界の住人なのかもしれない」

そんな悲しい思い込みさえ抱いていた私は、ヨーヨーも一度は諦めかけました。

しかしヨーヨーを購入してから1週間が過ぎたある日、基本技がまぐれで1回成功したのです。

「やった!できた・・・!」

それは、多くの人は10分程度で覚えてしまうような、初歩中の初歩の技でした。

しかし当時の私にとっては、努力によって不可能を可能にした、初めての「成功体験」だったのです。

部屋を駆け回って喜んだのを、今でも鮮明に覚えています。

「ヨーヨー、面白いかもしれない・・・」

すっかり心を奪われてしまった私でしたが、これが自分の将来を変えるほどの出会いだとは、知る由もありませんでした。

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